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前回はフェイクニュースの見破り方を学びましたが、今回は発想力について学んでみようと思います。
Lektion26:例文を通して発想力を学んでみよう
さて、本日も例文を提示するのでそれを見て学んでいきましょう。本日の例文はこちら。
皆様は、ドラゴンクエストをご存じだろうか。知っているものとして話を進めるが、もし、魔王の正体が強力なモンスターではなく、スライムなどであったらどうだろうか。無論、話の流れとはいえスライムがラストボスである魔王、つまりは最後に戦う敵であったらそれはもはやギャグであるし、仮にそのスライムがある程度強化されていても、所詮はスライムである。いくら神輿は軽くて弱ければいいとはいえ、何故スライムが魔王になったのか。あるいは、それを考えてみるのも一興かもしれない。
魔王がスライム。なんというかそれだけで笑いが取れそうですが、それこそが発想力というものであり、同時にその発想力を支えるために必要なのが前回学んだ論理性なのです。今回は分かりやすさ重視で既存の物語を例として出しましたが、実際にそんな発想力の塊みたいなことをした物語があるのか。それこそ、貞操を守ろうとするサキュバスみたいな矛盾じみた発想ですが、そういったところから物語が生まれることもあります。まあ、わたしはそこまで強い発想力を持った作品は残念ながら見たことはありませんが。しかし、それこそが最近の作品としての穴なのだと思います。さすがにわたしが第一先駆ではないとは思いますが、世の中、おそらくそういった物語はあるのでしょう。何せ素人のわたしが思いつくレベルのことであり、或いは誰もが思いついても誰もがあえてやろうとはしない、といった類のものかもしれません。しかし、逆にそういった穴に張る形で発想を作りだし、それを支えるために論理性を使って物語を書くというのも一つの方法だと思います。例えば、自閉症の場合ならば多弁であるとか。無論、多弁な自閉症も事実存在するのですが、自閉症という誤訳の結果、あまりにも広く浸透しているイメージとはかけ離れるために、意外性となるのです。意外性のある物語を書く場合としては、誰もが信じる真実味のある常識をあえて疑って隠された本当の真実を見出すことがその第一歩かもしれません。
話は変わりますが、本講座は15回を予定しております。つまり、今回を除いて残り3回です。連載の間隔が空いているので年内に終わるかどうかは妖しいのですが、年度内までには終わる予定でございます。とはいえ、何らかの形で本講座終了後もブログは連載するとは思いますが、一旦ピリオドを打たせてもらいます。
最後まで何卒よろしくお願い申し上げます。 令和元年九月二十日、みっちゃん。
皆様ごきげんよう。本日も当講座を受講いただきありがとうございます。
当講座も残り少なくなってまいりました。何卒最後までお付き合いくださいませ。
Lektion25:例文を通して論理性を学んでみよう
さて、本日はいよいよ例文を通して学んでいきたいと思います。本日使用する例文はこちら。
磯貝回龍という人物がいる。従来の学説では菊池家の直臣と言われてきたが、近年では異なる観点が生まれてきている。そもそも従来の学説は小泉文書を論拠にしており、それは回顧録という観点から書かれたものだからだ。しかし近年の観点としては市ヶ谷文書という発掘された史料があり、これは実際には武田殲滅戦で甲斐の豪族を貶めるために書かれたという説だ。
出典は、明記しません。なぜならば、今私が即興で作ったのですから。
では、この文から何が学べるか。論述の悪用の仕方でございます。実は上の原稿はあらかじめ型を作っておいて、それに当てはまる現象を探しただけであり、論述の型はあらかじめ用意していたのですから、そりゃ論理的に聞こえて当然なわけです。では、そんなものを学んでどうするのか。あんまりこういうことは言いたくないんですが、フェイクニュースの見分け方及び、メディアリテラシーの養い方です。今回の例文はあからさまな嘘、というよりはある物語を読んだ結果その世界ではこういった記述がなされているんだろうなあ、という想像を創造したものです。実際にはそんな人物は存在しないでしょうし、したとしても事実とは異なるでしょう。そもそも磯貝回龍って誰だって話になりますし。しかし、知識がなかったり、常識がなかったりするとうっかり上の文章でも信じかねないわけです。つまりは、それが巧みな御伽噺としての時代小説であり、今もなおその作品が語り継がれている要素なのです。では、こういったフェイクニュースを見破るためのメディアリテラシーはどうすれば養成できるか。簡単な方法としては、もうわかっている現象、つまりは北朝鮮の拉致事件などを昔のニュースで読んでみることです。例えば、それがなかったと言っていた新聞では明らかな嘘をいかに尤もらしく整えるかということに腐心していると思います。そしてそういった手法を見極めることができれば、次からは容易には騙されなくなるでしょう。そのために、嘘を学ぶのです。そして、巧い嘘を学べば、自分でももっと改変できるはずです。宗教や地獄、天国などというものは所詮は嘘です、僧侶が既得権益を守ろうとするための方便にすぎません。しかし、今なお信じられています。それは概してそういった層の人間は教養が深いため、より浸透しやすい嘘をつけるためです。そしてそれは、宗教だけに限らず、資本主義や共産主義、啓蒙思想などの世界的思想も同様です。何卒、読者の皆様は思想にかぶれることなく、自分の思想をもってください。
皆様ごきげんよう、そろそろ寒くなってきます。風邪などひかないようにご注意ください。
Lektion20:躁の日に計画を立てない
これはどういうことかといいますと、人間だれしも調子のいい日や悪い日がございます。その調子のいい日に計画を立てる行為はよくない、ということです。考えればわかる通り、調子のいい日に合わせたら調子の悪い日は相当な無理をしなければなりません。なので、計画を立てる場合は調子の悪い日に計画を立て、調子のいい日にその計画を実行するという形が一番適格かと思われる次第でございます。
Lektion21:たら・れば・もしも
はっきり言ってこれは物語を制作するにあたっては非常に重要な要素です。無論、過ぎたれば及ばざるがごとし、なにもかもに適用すれば物語ではなく夢物語になってしまいます。つまりは、何が言いたいかというと、オッカムのカミソリのごとく、ここぞという重要なポイントにこそ、この要素を投入しましょう。たら・れば・もしも、すなわちifとは物語においての塩のようなもの。塩は過ぎれば素材を殺しますが、なければ料理なんてできたものじゃありません。つまるところ、たっぷり使いすぎるのではなく作品の要所でifという塩を使いこなせば、格段にあなたの作品は良くなるはずです。
Lektion22:パワーワードのつかい方
物語というものは印象的な名場面で満ちています。そしてその名場面には魅力的なセリフがあります。しかし、強すぎるパワーワードはそればかりがミームとして語られ、物語そのものの味を殺しかねません。ゆえに、パワーワードに頼り切るのではなく使いこなすことが必要なのです。まあ、どんな物語を書くかにもよるとは思いますが。たらればもしもが塩だとすると、パワーワードは香辛料といえると思います。
Lektion23: メモランダム&クラウド
これはつまり、ネタを思いついてその場でメモを取るだけではなく、それをクラウド管理することによりいつでもその内容を取り出せるようにするということでございます。とはいえ、難しいことは考えなくても大丈夫。取ったメモをスマートホンなどで写真撮影して、その画像データをクラウドサービスに突っ込んでしまえばあとは勝手に管理してくれます。画像データで容量を食うならば、文字データにする面倒さがありますが。
Lektion24: とまあ、こんなものでしょう。
私自身、素人ですから教えられる技法はそこまで多くはありません。そして、技法の全てを使えているわけではありません。それに、ここまでの技法ははっきり言って一般論でしょうし。とはいえ、私自身の独自の技法というものはあまり存在せず、精々が天使待ちを行っている間は決して焦らず、慌てず、そして天使が通りかかったら何を犠牲にしてでもとっ捕まえる、といったところでしょうか。あ、天使待ちというのは原稿が天から降ってきて、それが見えることを待つ、ということです。私の場合、原稿が書ける状態になったら、情景が見えるのです。つまりは、それを真似しろと言われても、私自身どうやってそれを待っているか、とかどんな感じで見えるか、と言われたら分かりませんし。
皆様ごきげんよう。今週も講座を始めたいと思います。今月からはいよいよ技法的なものに入っていきたいと思います。
Lektion16:技法の前に
さて、皆様の手元には出来上がった自分の原稿があると思います。では、その原稿を点検してみましょう。てにをはは間違っていませんか?誤字脱字はありませんか?副詞は過剰だったりしませんか?その三つは最低限、チェックしておく必要があるでしょう。とはいえ、セルフチェックだけでは上手くいかないのは当たり前といえば当たり前なのですが。それでも、するとしないとではある程度違ってきます。特に、書下ろしの場合は。それで、チェックして問題ないと思った場合は、どうするか。
そのまま応募することは止めませんし、私としてはむしろ歓迎いたしますが、ここでもう一工夫。……その原稿を、技法で飾ってみましょう。
Lektion17:技法その1「カットバック」
基本的に、物語というものは時系列順に進んでいきます。しかし、物語ですからもう少し面白くしてしまいましょう。
山場。いわゆるクライマックスのことであり、物語で最も格好いい部分でしょうが、あえてそれを最初に持ってきましょう。無論、そのまま持ってくるだけではダメで、書き出しにふさわしい文章に直した上で、その後につなげる文章も負けないぐらい魅力的にする必要があるのである程度熟練された筆さばきが必要になりますが、決まれば効果は絶大です。何せ、山場が最初にあるのですから。いわゆる「ツカミはオッケー」ということです。
Lektion18:技法その2「削り」
16においては「副詞」のチェックを勧めましたが、副詞が過剰だと判断した場合、応募文字数に影響しない場合は思い切って削ってしまいましょう。有名な言葉に、「地獄への道は副詞で塗装されている」というものがありまして、副詞というものは過剰になると読み辛くなるものです。だったら敬遠されるよりは、親しみを持たれるほうがいいでしょう。思い切ってバッサリやってしまいましょう。案外、そうした文章のほうが合格しやすくなるかもしれませんよ。
Lektion19:技法その3「開き」
さて、そろそろ体裁を整えて誤字脱字もチェックし、副詞も適切な分量にしました。これで完成、お疲れ様でした。……と言いたいところなんですが、その文章、少し読み辛くないですか。漢字がやたら多かったり、逆に少なすぎたり、カタカナばっかりだったりしませんか。そういった文章の場合、あまり褒められたものではありませんよね。そういった場合、思い切って漢字をかなにしたり、逆にかなを漢字にしたり、カタカナ言葉はある程度日本語的、漢語的に書いてみましょう。例えば、「アサーティブなコミュニケーションを通してコンセンサスを取る」と「両者の意見を尊重しつつ交流を通して同意を得る」、どちらが読みやすいですか。私としては後者なんですが、場合によっては前者の人もいるかもしれません。とはいえ、後者のほうが読みやすいと感じる人は前者の文章では買わないと思います。内容が同じだったとしても。そういうわけで、思い切って漢字を開いたり、漢字にして閉じてみたりしましょう。きっと、読みやすくなると思いますよ。
皆様ごきげんよう、今週も当講座を受講いただきありがとうございます。
Lektion14:スランプ時の過ごし方
スランプ、それは作家にはつきもののアクシデント。所謂精神的な意味での成長痛の一種ともいえますが、そんな時に無理くりアイデアなんて出しても、苦し紛れの悪あがきに過ぎません。作家として締め切りが迫っている、とか契約金が発生している、とかなら別ですが、そうじゃない、つまりは趣味でやっている場合、数か月程度物語のことを忘れてみましょう。案外、スランプなんてものは同じことを続ける事に当たっての突発的な鬱みたいなものです、数か月も鬱の原因から離れてみれば、存外にまたぞろ作家衝動というものは蘇ってくれます。あなたは今プロですか?違いますよね?だったら、書きたいときに書きたいだけ、書きたいものを書けばいいのです、アマチュアのプロに勝る特権はしがらみがないこと。つまりは好きな時に好きなだけ、好きなものを書けるということ。こればかりは、プロには絶対にできないことです。それは、誇っていいと思いますよ?
Lektion15:趣味としての作家業
当講座は自閉症文学、すなわち自閉症の人が自己理解や自己実現、そして自己肯定感を経て一本の本を仕上げる、という過程のお手伝いをしようという目的のもと、同じく自閉症にしてアマチュア作家の私が自己整理のために書かせていただいている通信講座、という形式をとっています。つまりは何が言いたいかと言えば、私はプロではないということです。無論、プロを志願してはいますが、まだ印税はもらっていません。あるいは生涯もらえないかもしれません。それでも作家を目指す目的とは何なのか。富か名誉か、それとも矜持か。私としては、どれも是であり否、それらは一里塚的副目的ではあっても主目的ではなく。では、いったいなぜなのか。私個人の主目的でよければ、お話ししましょう。
それは、遠い約束。しかし、必ず行うと誓った、ある師との誓約。必ず、その師の末席に座ると誓った、ある少年の軌跡。たとえ、なにもかもが、作風やジャンルからデビュー企業まで違ったとしても、同じ作家業として生きていこうと誓った。師は覚えていないかもしれないけれど、私は今でもあの日のことをきちんと覚えています。2000年、8月12日。生涯忘れないと誓った、吉祥寺の誓い。誉れにも、10年越しに師と出会った。師は相変わらず作品を出していた。しかるに、自分は足踏みばかり。鳴かず飛ばずの10年間。しかしそれでも、きっと言えるだろう、その足踏みには下積みという意味があったのだと。
とまあ、こんな感じでしょうかね。商標登録や特定されそうな固有名詞に触れないで、なおかつ動機を的確に説明する方法としては。つまるところ、私が作家業を目指す理由はただ一つ、師と同じ作家という職業につき、今度は師としてではなく、戦友として表現の自由を掲げ、戦いたい。ただそれだけの、しかし崇高にして絶対なる、主軸の通った理由でございます。もし、それによって師とともに笑いあい、作家として交流できるのならば、それこそが無上の喜びとなるでしょう。
話が長くなりましたが、そういう動機を、まあここまで強くなくてもいいですが、一つでも持っておくと、非常に強いモチベーションとなると思います。それでは、また。
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