修了にあたって
2021年11月に修了しました、IRと申します。
私は2018年8月から2021年11月まで在籍していました。施設の規定では2年ですが、1年延長を申請してもらい、さらにコロナ禍の影響による特別措置で2021年9月以降も再延長をしてもらって都合3年3ヶ月在籍しました。
2016年4月から心療内科に通院し、2017年秋に前職を休職して自閉スペクトラム症と診断され、2018年4月に会社の規定で休職期間満了となり退職しました。
その後障害者手帳を取得し、発達障害者向けの障害者雇用の支援機関を探したところPEAKS六甲を知り見学しました。落ち着いた雰囲気で、一般のオフィスのように集中して作業をされている方々の様子を見て、幸い最寄り駅から近かったこともあり通所を決めました。
前職ではそもそも出社自体が嫌で、PEAKS六甲に通い始めてからもしばらくは通所が嫌でした。前職が辛かったのにまた辛い思いをして通い、辛い仕事につかないといけないのかと思っていました。また、通って応募書類などをなんとか作って応募しても何度も不採用を経験して、取り組んでも無駄だと思うときもありました。何度も話し合いを繰り返して自分の生活リズムや考え方にかかわる偏りに気づき、改善を試していきました。まず時間通りに通えるようになるまでに2年近くかかりました。生活リズムが不安定だったので気持ちのブレが大きく、納得いかないことがあると感情的になりやすかったため、職員の皆さんには相当な手間と時間をかけてもらいました。本来訓練は午後4時終了で、職員の皆さんも6時前には退勤することになっているのに、夜7時や極端なときは夜9時まで話をしてもらったこともありました。
PEAKS六甲で良かったと思ったことは、とにかく納得いくまで話し合いをしてもらえて、自分の課題についてどうしたら解決できるのかをいろいろな視点から提案してもらえることでした。言葉と行動を尽くして仕事に対する怖さや抵抗感をなくしてもらえて、とても助かりました。実習先を推薦してもらい、実際の会社での成功体験や落ち着きのある安定した環境から恐怖心を薄めてもらったり、時にはそういった良い職場に自身が定着するにはどうするかなどの課題を与えられたりもしました。もちろん普段の作業から仕事のように取り組める環境で、そういった何げない事から自分のクセなどについて気づくことがとても多く、最後の9ヶ月間、遅刻を極力減らして通えるようになってからはほとんど毎日のように発見がありました。生活リズムと感情のコントロールが何より課題だったのですが、通えるように根気よく対応をしてもらえて、感情を出してしまったら丁寧に指摘をしてもらい、その対策もSSTなども使ってやってもらえました。
応募書類の書式が自分用に用意できていて、パソコンで印刷でき、どの求人に応募すればいいかのアドバイスや仕分けを助言してもらい、志望動機の書き方を指導してもらえることもとても助かる要素です。自分一人でやるとなったら到底処理しきれません。
修了して思うことは、私もそうでしたが、いつうまくいく結果になるか分かりません。私は3年間で合計29社と2官庁を受けました。その中で書類選考が通ったのは4社、1次面接が通ったのは内定を頂いた会社含め2社でした。面接は書類選考が並行省略だったものを含め10社と2官庁に落ちています。面接から実習まで進んだのは2社でした。実習は体験だけのものやPEAKSから推薦してもらった就職選考としての実習含め、全部で5社に行きました。ましてや昨今はコロナ禍で選考や実習のチャンス自体が少なくなってしまっていて、より大変だと思います。
私も就活がいつ終わるのか分からなくて不安になることが何度もありました。落ち込むことも、やけになるときもありました。内定をもらえた会社を受けた頃はそういった気持ちも通り越して一喜一憂することもなくなり、通勤範囲の希望職種の会社の募集はほとんど見覚えがあるか、受けて落ちたかのどちらかになっていました。そこまでいくものなのかもしれないと今では思います。ただ、やっていかないと終わらないというのも確かです。
まず頑張って毎日通うことが何より大事だと身に染みて感じています。それをしなければ訓練による進歩も就活の書類作成も当然できません。3年も在籍していると、私より後に通所を始めて先に修了される方も何名もいらっしゃいました。どなたも私が顔を出した時には必ず来ていて、訓練や面接練習などに励む様子を見ていた方ばかりで、毎日時間通りに通われていたのだろうと思います。PEAKS六甲は就職のチャンスを得るために尽力してくれますが、それがいつ巡ってくるのかは分からないものですし、いざチャンスが来たときに応じられるよう準備しておかないといけません。日々のことから疎かにしてはいけないと学びました。
3年3ヶ月もの長い間、大変にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんのことを話し合う中で、仕事だけでなく生きていくうえでも大事なことをたくさん学びました。コロナ禍で落ち着かないご時世でまだまだ油断ならないですが、お互いに体に気をつけて頑張っていきましょう。