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自閉症文学のススメ(2)

 皆さん、暑い最中倒れたりしていませんでしょうか。本日も講座を始めます。第2回目の講座は、技術論ではなくもう少し下準備をしていきたいと思います。技術論的なものを期待している方はもう少しお待ちください。
 Lekiton3:先行研究
 先行研究。聞きなれない言葉かもしれませんが、非常に重要な作業です。なぜならば、籠って書いて、それでも新しくできた本のほうが早いから没、なんてこともあります。それを防ぐためにも、最新の本を読む必要があります。この際、影響を受けることを恐れてはいけません。影響されたっていいじゃないですか。確固たる自分があれば、その程度の影響、自然と消えていきます。特に、自閉症者は確固たる自分が存在する方のほうが多いはずですから。そういったわけで、本を書く場合は、見本にするつもりで先行研究を行いましょう。
 Lektion4:プロットを書いてみよう
 さて、ここまで読んだということはそろそろ本を書いてみようと思っていると判断いたします。では、本を書くにあたって何が必要か。物量でございます。本を出すには文字を重ね、十万文字は書かなければ最低限、本として成立させるのは難しいのです。とはいえ、いきなり一年かけて十万文字を書くのはしんどいと思います。なので、まずは骨格にして土台である、プロットを書きましょう。プロットを書けば、それ自体が既に短編として通用致しますし、そうでなくてもプロットが出来上がれば自信もつくはずです。そう、本を書く事はそこまで難しくはないのです。特に、文字をこうやって容易に活字にできる環境があるならば。ゆえに私はここに宣言します。本を書くことは、誰にもできる、と。無論、書くだけなら、あるいは自費出版程度ならば、ですが。しかし、やはり花形はどこかの出版社の新人賞に合格して企画として出版してもらうことでしょう。無論、そこまで目指す必要はありませんし、それができるのはごく一部の人間だけです。それに、そういったことを目指す人はもはやこの講座を見なくても大丈夫でしょう。私はあくまで、今まで本を書いたことがない自閉症及び発達障害の人が、本としての体裁を保てる文章を書くまでのお手伝いとしてこの講座を書いています。その、「ちょっとした後押し」ができれば幸いだな、と。
 と、いうわけで、前置きが長くなりましたが、プロットは実は簡単に書けます。以下に書いてみましょう。あ、今回はエッセイではなく物語のプロットになります。
題名:次期領主は自閉症(仮題)
趣旨:自閉症をより良く知ってもらうために、あえて物語調にして自閉症の症例を紹介する
流れ:主人公の自己紹介→主人公の仕える領主の紹介→次期当主の紹介→悩み事の告白→領主の悩みは次期当主が自閉症であること→次期当主が自閉症であることの紹介→自閉症であることのデメリットとメリットの紹介→「さてさて、どうなることやら」で〆
ね?簡単でしょ?これで一話分、すなわち二千文字は書けます。こんな感じで一週間に一回ずつ書いていけば、一年間で十万文字も夢ではありません。それではまた次回。


自閉症文学のススメ(1)

 皆さん、お元気ですか。本日も講座を始めたいと思います。第1回目の講座は、プロットの書き方にしたいと思います。
えー、前回、「プロット」という謎の言葉を残したまま終わってしまいましたが、プロットとはいったい何なのか。その本の設計図です。自分だけがわかればそれでいいので、基本どんな形でも構わないのですが、ある程度型が決まっている方が書きやすい人のために、私のプロットの作り方を少し公開したいと思います。
 Lektion1:プロットの動機
 まず、なぜ物語を書きたいか。表現するための動機を整理します。これはつまり、なぜ自閉症である自分が、書くのかということ。世の中には一杯本があります。しかしおそらくその中の八割以上は定型者の書いた本でしょう。しかし、自閉症である自分ならこういう視点で書ける、こういった作品も作れる、それを表現するための、手段としての「自閉症文学」。すなわち、自閉症者による、自閉症者のための、自閉症者の文学。そういった本が、恒久的に本屋に一冊並んでもいい、バリアフリーとはそういうことだ。といったところでしょうか。無論、そこまで大それた意気込みがなくても構いません。自分が読みたい作品を世に送り出す。そしておそらくそれは自閉症独特の視点を使うから定型者には書けないはずだ。その気持ちがあるだけでも充分な動機なのですから。
Lektion2:自分を知る
 当事業所には、自分を知るという講座が水曜午後にあります。30分かけて、一つのテーマにそって、自分のことを随筆するという講座です。テーマは過去を振り返ることや未来を展望することをはじめ、自身の体験した喜怒哀楽など。とはいえ最初はそこまで難しいテーマではなく自分の生まれた土地や家族、そして自分の今の調子などから入ります。
 これは、冷静に考えるとすごいことだと思いませんか?事務所がエッセイのテーマを用意してくれています。つまりは、自分で毎週決まったテーマを30分だけとはいえ(しかも、場合によっては延長可能)紙面が尽きるまで書けるのです。自閉症文学の立場からすれば、格好のネタ集め状態だといえるでしょう。無論、自分の分だけですが、それでも自分だけでここまでネタが掘り起こせるのかと感心できる程度には、毎週書けています。
 そういったわけで、「自閉症文学」の主力であろうエッセイを書く以上、自分を知ることはネタ集めに限らず必須といえます。孫氏にも曰く、「自分を知り、敵を知れば何度戦っても負けない」。敵を知ることが困難である場合は、まず自分を知るところから始めましょう!
 
 というわけで、今回は半ば事業所の紹介になってしまいましたが、ある大家曰く、「生きている限りネタは出る」ということらしいので、まずは生きましょう。生きている証拠として一本書きましょう。まずは、そこからです。では次回、またお会いしましょう。


自閉症文学のススメ(0)

皆さん、私は自閉症です。更には、躁鬱も患っております。正確な病名は憶えていませんが、こう見えて文学を嗜んでいます。無論、書く方を。宣伝になってしまうのでURLは書きませんが、某投稿ページにてブックマークを合計して数千人程度の読者がいます。
自閉症といえば、あの本。東田さんの「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」。人気ですね。ああいった本に限らず、今は障碍者本人並びに周囲の人間のエッセイ的体験談が人気のようです。古い所では、ニキリンコさんの「俺ルール」辺りでしょうか。とはいえ、定型者であってもなかなか文字を書き続けて一冊の本にするということは、編集部との協議のことを考えなくても難しいもの。
と、いうわけで。ここはひとつ、私が実践形式で「自閉症文学」つまりは、自閉症者が書く、当事者研究としての論述を文学風エッセイに記す行動を当ブログに講座として掲載したいと思います。早々に閉鎖されなければ、うれしいのですが。
まず自閉症文学執筆のために必要なものを準備しましょう。
・パソコン(ワープロ代用可、カメラのついていないものが望ましい)
・ワープロソフト(なければ、メモ帳機能(いわゆる.txt拡張子ファイル)でも可)
・紙に起こす場合は、プリンター
・投稿サイトに応募する場合は、インターネット接続環境
以上ですね。このブログを読めている場合は、問題ないと思います。あ、カメラはいろいろと面倒なことになるのでシールとかで閉じておくことをお勧めします。
と、いうわけで。道具が揃ったなら、今から講座を始めたいと思います。
とはいえ、紙面が残り少ないのでまずはプロットを練りましょう。え?プロットって何?
本の設計図です。つまりは、自分にわかる範囲でいいので、どういう本を書くか、そしてその本を何文字で書き終えるか、最後に、その文字数ならば書き上げるのに何か月かかるか、といったことです。短編ならば、数週間でも大丈夫かもしれませんが。私事ですが、私は十万文字を書き上げるのに、最低でも一年はかかります。書き始めると早いし多いのですが、書き始めるまでや、想定外のこと、そして鬱がいつくるか分からないので、多めに見積もって十万文字を一年、という感じです。無論、皆様は初陣なので、こんな難行に挑む必要はありませんが、短編とされる一万文字でも最低一か月はかかるものであるという覚悟だけは決めてください。その覚悟がなくてもできる方法を、できれば伝授したいものなのですが、何分私はまだプロではありませんし。それでも、一日400文字書ければ、30日で12000文字になります。つまりは、そういうことです。
ああ、それとなんですが。なぜパソコンを使うかといえば、その方が読みやすいからです。修正も容易ですからね。肉筆で書きたい、という人がいるならば、止めませんしその権限は存在しません。でも、パソコンで書いた方が、間違いなく楽だとは明言しておきます。
それではそろそろ紙面が付きましたので、また次回、プロットの作り方からお送りします。


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