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自閉症文学のススメ(9)

 皆様ごきげんよう。今週も講座を始めたいと思います。今月からはいよいよ技法的なものに入っていきたいと思います。
Lektion16:技法の前に
 さて、皆様の手元には出来上がった自分の原稿があると思います。では、その原稿を点検してみましょう。てにをはは間違っていませんか?誤字脱字はありませんか?副詞は過剰だったりしませんか?その三つは最低限、チェックしておく必要があるでしょう。とはいえ、セルフチェックだけでは上手くいかないのは当たり前といえば当たり前なのですが。それでも、するとしないとではある程度違ってきます。特に、書下ろしの場合は。それで、チェックして問題ないと思った場合は、どうするか。
そのまま応募することは止めませんし、私としてはむしろ歓迎いたしますが、ここでもう一工夫。……その原稿を、技法で飾ってみましょう。
Lektion17:技法その1「カットバック」
 基本的に、物語というものは時系列順に進んでいきます。しかし、物語ですからもう少し面白くしてしまいましょう。
 山場。いわゆるクライマックスのことであり、物語で最も格好いい部分でしょうが、あえてそれを最初に持ってきましょう。無論、そのまま持ってくるだけではダメで、書き出しにふさわしい文章に直した上で、その後につなげる文章も負けないぐらい魅力的にする必要があるのである程度熟練された筆さばきが必要になりますが、決まれば効果は絶大です。何せ、山場が最初にあるのですから。いわゆる「ツカミはオッケー」ということです。
Lektion18:技法その2「削り」
 16においては「副詞」のチェックを勧めましたが、副詞が過剰だと判断した場合、応募文字数に影響しない場合は思い切って削ってしまいましょう。有名な言葉に、「地獄への道は副詞で塗装されている」というものがありまして、副詞というものは過剰になると読み辛くなるものです。だったら敬遠されるよりは、親しみを持たれるほうがいいでしょう。思い切ってバッサリやってしまいましょう。案外、そうした文章のほうが合格しやすくなるかもしれませんよ。
Lektion19:技法その3「開き」
 さて、そろそろ体裁を整えて誤字脱字もチェックし、副詞も適切な分量にしました。これで完成、お疲れ様でした。……と言いたいところなんですが、その文章、少し読み辛くないですか。漢字がやたら多かったり、逆に少なすぎたり、カタカナばっかりだったりしませんか。そういった文章の場合、あまり褒められたものではありませんよね。そういった場合、思い切って漢字をかなにしたり、逆にかなを漢字にしたり、カタカナ言葉はある程度日本語的、漢語的に書いてみましょう。例えば、「アサーティブなコミュニケーションを通してコンセンサスを取る」と「両者の意見を尊重しつつ交流を通して同意を得る」、どちらが読みやすいですか。私としては後者なんですが、場合によっては前者の人もいるかもしれません。とはいえ、後者のほうが読みやすいと感じる人は前者の文章では買わないと思います。内容が同じだったとしても。そういうわけで、思い切って漢字を開いたり、漢字にして閉じてみたりしましょう。きっと、読みやすくなると思いますよ。


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