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自閉症文学のススメ(6)

 皆様、お元気でしょうか。こちらは腰が痛くて長い事立ってはいられません。とはいえ、座ってする作業には支障はないので、こうやって書いてはいます。今回もよろしくお願いします。
Lektion11:物語の終わらせ方
 今回は、「物語の終わらせ方」です。いくら好きな世界でも、終わりは必ず来ます。人が死ぬ以上、死ぬ前までには終わらせて読者を納得させる必要がありますよね?たとえ最終回が来る気配のない日常ものといえども、終わりを必ず、作者は用意しています。
 と、いうわけで。皆様にとってはまだ先の話ではございますが、物語をどう終わらせるか、今回はソフトランディングを前提で話したいと思います。とはいえ、分量が決まってなければ終わらせるのは簡単な話です。好きなだけ書いて、プロットが尽きたら結末を用意すればいいのです。問題は、分量が決まっている場合。たいていの新人賞は、既定ページ設定で80~130ページということになっています。これは文庫本の宿命とでもいうべきものでしょうが、実際、十万文字も読んでしまったら一息つきたくなるものです。ましてや、一気に三巻分程度読んだ場合は、はっきり言って読者は疲れています。一刻も早く、とまではいいませんが解放してさしあげる必要があるでしょう。では、その解放の仕方ですが。……一番やってはいけないのは、打ち切りです。原作に追いついてしまったとかならばまだ仕方ないのですが、原作がそれをやってはいけません。次に重要なのは、たとえ技法としてありきたりで面白くなくても、読者が好ましいと判断すると予想できる結末を用意しましょう。つまりは、なぜ大団円が好まれるかといえば、「めでたしめでたし」は物語の、つまりは読者が好ましい感情に浸り余韻を残して行動するための活力を補給する、という役割を果たすための必須事項だからです。物語でまでヘイトやルサンチマンを貯めてしまう行為は、よほどの技量を有する作家でもまずヒットさせるのは難しいと判断してください。そして、物語を終結させるための技術、それをどうやって磨くか。一本書き上げてしまいましょう。一本書き上げて完結としてしまえば、次が見えてきます。運が良ければ、拾ってくれるかもしれませんし。というわけで、一度物語を終わらせてみましょう。
 では、それをどうやって終わらせるのか?紙面が足りないので次回、と行きたいところですが、それでは羊頭狗肉なのでここで証明したいと思います。
方法その1.プロットをきちんと練る
方法その2.予想外の長期化を避け、未練があっても完結させる覚悟をもつ
方法その3.いっそのこと、最終回をあらかじめ書いておく
方法その4.逆に予想外の短文で終わってしまった場合、よく見直して増補改訂する
方法その5.最後に、一度何日か放置しておいて、読者の視点から物語を見る
 とまあ、こんな感じで、一度物語を終わらせてみましょう。作者も読者も納得できる終わり方を提示できれば、その物語は大成功なはずですから。


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