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自閉症文学のススメ(1)

 皆さん、お元気ですか。本日も講座を始めたいと思います。第1回目の講座は、プロットの書き方にしたいと思います。
えー、前回、「プロット」という謎の言葉を残したまま終わってしまいましたが、プロットとはいったい何なのか。その本の設計図です。自分だけがわかればそれでいいので、基本どんな形でも構わないのですが、ある程度型が決まっている方が書きやすい人のために、私のプロットの作り方を少し公開したいと思います。
 Lektion1:プロットの動機
 まず、なぜ物語を書きたいか。表現するための動機を整理します。これはつまり、なぜ自閉症である自分が、書くのかということ。世の中には一杯本があります。しかしおそらくその中の八割以上は定型者の書いた本でしょう。しかし、自閉症である自分ならこういう視点で書ける、こういった作品も作れる、それを表現するための、手段としての「自閉症文学」。すなわち、自閉症者による、自閉症者のための、自閉症者の文学。そういった本が、恒久的に本屋に一冊並んでもいい、バリアフリーとはそういうことだ。といったところでしょうか。無論、そこまで大それた意気込みがなくても構いません。自分が読みたい作品を世に送り出す。そしておそらくそれは自閉症独特の視点を使うから定型者には書けないはずだ。その気持ちがあるだけでも充分な動機なのですから。
Lektion2:自分を知る
 当事業所には、自分を知るという講座が水曜午後にあります。30分かけて、一つのテーマにそって、自分のことを随筆するという講座です。テーマは過去を振り返ることや未来を展望することをはじめ、自身の体験した喜怒哀楽など。とはいえ最初はそこまで難しいテーマではなく自分の生まれた土地や家族、そして自分の今の調子などから入ります。
 これは、冷静に考えるとすごいことだと思いませんか?事務所がエッセイのテーマを用意してくれています。つまりは、自分で毎週決まったテーマを30分だけとはいえ(しかも、場合によっては延長可能)紙面が尽きるまで書けるのです。自閉症文学の立場からすれば、格好のネタ集め状態だといえるでしょう。無論、自分の分だけですが、それでも自分だけでここまでネタが掘り起こせるのかと感心できる程度には、毎週書けています。
 そういったわけで、「自閉症文学」の主力であろうエッセイを書く以上、自分を知ることはネタ集めに限らず必須といえます。孫氏にも曰く、「自分を知り、敵を知れば何度戦っても負けない」。敵を知ることが困難である場合は、まず自分を知るところから始めましょう!
 
 というわけで、今回は半ば事業所の紹介になってしまいましたが、ある大家曰く、「生きている限りネタは出る」ということらしいので、まずは生きましょう。生きている証拠として一本書きましょう。まずは、そこからです。では次回、またお会いしましょう。


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