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たとえ人生に何も期待しなくとも・・・

 いつもクロスジョブKOBEⅡの利用者ダイアリーをご覧いただき、ありがとうございます。炎暑の折り、いかがお過ごしでしょうか?
 前回のブログで「さようなら」と言っていながら、また書かせていただきます、半平です。前回格好よく(?)去っておきながら、なぜまた書くことになったかと言いますと、入社日が当初の予想よりかなり遅れまして、改めてラストブログを書くことになったというわけです。ちなみに入社日は八月になりました。皆さんがこの記事を読んでいるころ、私はすでに図書館で働いているのでしょうか?
 さて、前回ラスト記事のつもりで「働く意味」を書いてしまったので、それを上回るテーマと言えば、もう「生きる意味」くらいしか残っていません(笑) ちょっと大きすぎるテーマのような気もしますが、せっかくなのでここは一つこれについて書いてみたいと思います。
 
「あなたはなぜ生きるか?」

 このシンプルな問いに答えられる人は果たして何人いるでしょうか?かく言う私も真正面から問われるときっとたじろいでしまうでしょう。この問いを考える時、私には思い出す一冊の本があります。
 それは精神科医のヴィクトール・フランクルが書いた『夜と霧』という本です。ユダヤ系オーストリア人である彼は、第二次世界大戦中ナチス・ドイツの手によって強制収容所に入れられました。そして、ともに収容された両親と妻を失っています。その収容所での体験を綴った手記が『夜と霧』です。
 この手記で貫かれているテーマ。それは「いかなる時にも人生には生きる意味がある」ということです。そしてその意味は、だれかから与えられるものでも、あらかじめ用意されているものでもなく、自分で見つけ、つくりださなければならないということです。さらに言うならば、人は常に生きる意味を問われている。
 フランクルは語ります。収容所では生きる意味を見失った者から死んでいったと。強制労働の合間に見た夕焼け、収容者仲間と本や音楽の話をすること、それら一つひとつが生きる意味になりました。ある収容者は生きて子どもと再会することを、別の収容者は自分の研究テーマについての本を書くことを生きる意味にします。フランクル自身も、生死も定かでない妻を心の中で思い、彼女への愛を感じることを生きる支えにします。
 私がこの本に出会った時、私は前職で毎日のように失敗をし、そのせいで職場で孤立し、仕事に行くのが心底苦痛だった時期でした。どれだけ努力しても報われない日々に何の意味も感じていませんでした。この本を通勤電車の中で読みまして、涙をこらえたのを覚えています(笑)
 たとえ私が人生に何も期待しなくなったとしても、人生は私に期待している。そう思えただけで、不思議と元気と勇気が湧いてきました。今私がここにいるのは、この本のおかげかもしれません。
 
 私のように向き不向きの激しい人間は、向いていない仕事に就くべきではない。図書館の仕事はたぶん向いているので、今までよりはるかに活き活きと働けるでしょう。何よりやっていて楽しいですし。
 けれど、そんな仕事であっても悩むこともあるし、失敗することもきっとある。けれど今回は、それを乗り越えることを楽しめる気がします。
 ここで冒頭の問いに戻りますが、私の生きる意味は、愛することに見出したい。仕事や人や自分をどんな時も愛すること。欠点や嫌いな点も含めて愛すること。たとえ報われなかったとしても愛し、愛したことを後悔しないこと。
 そして「まだまだこの世にいたいなあ」と思いながら最期の時を迎えたいものです。
 さてこの辺で(今度こそ本当の)私のラストブログを終わりにしたいと思います。今まで私の記事を読んでいただき、ありがとうございました。これからもクロスジョブの利用者ダイアリーをよろしくお願いします。
 それでは、今度は本当にさようなら。


仕事と伴侶、この二つだけ好きになれたら人生は幸せだ

 大変ご無沙汰しております。半平です。実は5月末から長期の実習に出ておりまして、その関係で久しぶりの更新になります。そしてこれが、利用者diaryに半平が寄せる最後の記事になるだろうと思います。
 実習先はとある公共図書館でしたが、そこで来月から雇用していただくことになりました。念願の図書館の仕事に就くことができたわけで、そのためにサポートして下さったクロスジョブKOBEⅡ(以下、CJⅡ) の職員の皆様、私を雇ってくださる図書館の皆様、そして私を励まし支えてくださった、たくさんの方々への感謝の念に堪えません。
 CJⅡを修了した先輩方の何人かは修了にあたってブログに記事を書かれていますが、そこではCJⅡの思い出などがよく書かれています。しかしながら、大学で歴史学を専攻したくせに私は自分の過去にはさして興味がありません(笑)だから、この記事ではこれから自分が仕事で何をしたいか、そして自分が働く理由は何なのか、ということをつづってみたいと思います。
 
 ・・・とは言いながら、なぜ図書館で働きたいと思ったのか、自分でもよくわかりません(笑)
 CJⅡに入ってから間もなくして、所長さんに司書の資格を取るのを勧められて、「本好きだから合ってるかも」くらいの気持ちで勉強を始めて、気がつけば「絶対に司書になって図書館で働くんだ!」と思ってました。実習に行っても確かにしんどいし、苦手なこともたくさんありましたが、それを克服するのも励みになったりしてました。何より、働くことを心から楽しいと思えたのは初めての経験でした。これって何だか恋に似ている気がします。だれかを好きになるのには理由がない。そして、時に欠点さえも好きになるし、障害があるとファイトが湧く。
 そんな話を以前親にしたら「仕事と恋は違う」と言われましたが、根本的な部分は同じか、少なくともよく似ているとやっぱり思います。まあ、賃金が発生する、しないの違いは確かにありますけど(笑)
 そう言えば、アメリカのイエール大学の行った調査でこんなのがあります。軍の士官学校の学生に軍人を志望した理由を訊いて、「具体的な目標や理念を答えたグループ」と「漠然と軍隊や、それにまつわるものが好きだからという理由を答えたグループ」に分けて、長期の追跡調査をしました。すると、後者のグループの人々の方が、前者のグループの人々より軍隊に残り、かつ高い地位にいる確率が15%高かったんだそうです。明確な動機が思いの強さを示すわけでは必ずしもない。そして「好き」に勝る強さはないということでしょうか?
 今日の表題に引用したのは、私の好きな城山三郎さんの『小説日本銀行』に出てくるセリフです。だれかを愛することが、「その人に自分のでき得る限りのことをすること」なら、仕事を愛することは「その仕事で自分のでき得る限りのことをする」ことだと、私は思います。それが全てではないにせよ、少なくとも重大な一部分ではあると思う。
 だから、一生懸命だれかを好きになったり、愛したりするように、一生懸命仕事をしよう。それを通じてだれかを少しでも幸せにしよう。そして、自分も幸せになろうと、私は思います。
 「愛する仕事」はどうやら見つかったらしい。後は「愛する伴侶」だけだ(笑)
  私の記事をお読みいただき、ありがとうございました。いつかまたお会いする時まで、さようなら。


スマスイでスーイスイ―後編 いちばん○○な魚(等)決定戦!

 CJⅡのレクリエーションの顛末をお届けする2回シリーズ。後編では「〇〇な魚(等)決定戦!」についてお伝えします。A~Dの各班が自由にテーマを設定して水族館で撮った写真を使ってプレゼンします。もっとも説得力のあった班が優勝です。
 その際に問われるのは客観的な正しさではなくて、「いかにもっともらしく伝えるか」ということ。伝える力や独創的発想、肯定的な物事の見方などを養うことを狙いとしています。各班のテーマは以下の通りです。

A班 ギャップがあるで賞
B班 ブサかわいい魚決定戦
C班 かわいい魚決定戦
D班 カラフルな魚決定戦

 プレゼンの準備に与えられた時間は40分。限られた時間でテーマを決め、写真を選び、完成度の高いプレゼンをつくるにはチームワークと段取り力が問われます。
私のいたA班ではギャップのある魚(等)としてラッコとオコゼを選びました。理由はラッコがかわいい外見と裏腹に大量の餌を食べるということ(ついでに言うと、ラッコの好物はイカに貝にタラと酒呑みのつまみのようなのでそこもギャップということで(笑))でした。
 オコゼは普段は岩と見紛[みまご]うほどにじっとしていますが、泳ぐときはスイスイ泳ぐということで、このギャップもおもしろかったです。


岩のようなオコゼ


スイスイと泳ぐオコゼ


2匹のラッコ


ラッコが1日に食べる餌


 私は写真を撮るのがあまり上手くないのですが、ほかのメンバーがしっかり写真を撮ってくれていて助かりました。惜しくも優勝はD班に譲りましたが、タイトなスケジュールの中で、曲がりなりにもプレゼンできたのはメンバーのみんなのおかげだったと思います。
 
 前編にも書きましたが、今回のレクリエーションは職員さんや利用者さんの意外な一面が見えて実におもしろかったです。例えば普段は大人しい利用者のBさんが結構度胸があったり、いつもほんわかした感じの別の利用者のCさんがラッコについてささっとネットで調べてまとめてくれたり・・・人間とは一面を見るだけでは計り知れないところがあって、だからこそ人間はおもしろいのだと思います。そういうおもしろい面々に囲まれて訓練をするのもまたおもしろいものだと思いました。


スマスイでスーイスイ―前編 そして所長がいなくなった

いつもクロスジョブKOBEⅡ(以下、CJⅡ)の利用者ブログをお読みいただき、ありがとうございます。いつの間にか夏のような暑さになりましたが、夏が来る度にシベリア移住を夢想している半平です。

 先日CJⅡでは暑い季節にぴったりな須磨海浜水族園にレクリエーションに行って来ました。4つの班に分かれて園内を見回りましたが、今回のテーマはズバリ「楽しむ!」こと。そして、ただ見るだけでもつまらないので班ごとにテーマを決めて、「いちばん〇〇な魚(等)決定戦!」(〇〇には各班で決めたテーマを入れる)を行いました。今回は、都合2日に及んだレクリエーション&グループワークの一部始終を前後編でお送りします。

 まず前編は1日目の須磨水族園でのレクリエーション。CJⅡ史上初のレクリエーションということもあって、心なしかみんなのテンションが高い気もしますが、いつも通り9時半にCJⅡに集合しました。
 ところで当日はA〜Dの4班(利用者4〜5人+職員2人)に分かれましたが、私の属するA班はCJⅡきっての個性派揃い。そして引率する職員の1人はついこの前、生まれて初めて電車で席を譲られた我らが所長さん。一抹[いちまつ]の不安が頭をよぎりますが、細かいことは気にせずさあ出発!
 水族園に到着し、喜び勇んで水槽に向かいますが、不安的中。我がA班は常に誰かしらの姿が見えなくなるのでした。所長さんがいなくなるのがいちばん多かったような・・・「俺がやらねば誰がやる!」とばかりに使命感に目覚めた私は、フリーダムなメンバーの所在把握に努めるのでした(途中から半分諦めたけど)。
 お昼をはさんで約3時間園内を見学しましたが、最前列でイルカショーを見学して所長さんと一緒にイルカプールの海水をかぶったり、イルカショーに参加したり、お昼時に幼稚園児が遊んでいる傍でハンカチ落としに興じたり(いつも穏やかな職員のAさんが本気で参加していた)、色んな意味で普段の訓練ではできない体験をしたり、職員さんや利用者さんの意外な一面を垣間見たり実に楽しい1日でした。
 今回のテーマの1つは「楽しむ!」でしたが、それをいちばん体現されていたのは、他ならぬ所長さんだった気がします。しかも、その姿が普段とあまりギャップがないような・・・普段の仕事もそれだけ楽しんいでるということでしょうか?
 よく出張されていたりお歳の割に(すみません)精力的に仕事をされているなーといつも感じていましたが、今回その源泉を垣間見た気がします。そのバイタリティがCJⅡを率いていく秘訣の1つなのかなと感じたりしました。

(後編に続きます)


はえば立て、立てば歩めの・・・

いつもクロスジョブKOBEⅡ(以下、CJⅡ)の利用者ブログをごらんいただき、ありがとうございます。最近、映画の「ベイマックス」を見て泣きそうになった半平です。
 ちなみにベイマックスは今日の本題とは何の関係もありません。私はCJⅡのお世話になって1年4ヶ月目になりますが、16ヶ月目にして出会った、難易度最高の訓練の話を今日はしようと思います。

 その訓練の名は「袋とじ」。CJⅡでは新規の利用者さんと交わす契約書に袋とじを用いていますが、その作業を訓練の一環として利用者が担当しています。まずA4用紙の両端を縦に6cmずつ切り、それを2cmずつに三つ折りにし・・・といった作業ですが、誤差1mm以内の正確性を要求されます。
 不器用の女神様に愛されたような私にとっては鬼門のような作業ですが、案の定ほぼ全ての工程に苦戦しました。何しろカッターさえもまともに扱えない(笑)カッターが上手くいったと思えば、今度はきれいに折れない。必ずどこか歪むという有様でした。
 それでも職員さんのアドバイスを素直に聞いて、お手本を真似して何回も試行錯誤をした末に、やっと1部まともに作ることができました。一緒に作業した他の利用者さんが私よりきれいに何部も作る中での1部でしたが、実に誇らしい1部でした。
 作業を繰り返していくうちに上手くなっていくその様は、さながら赤ん坊がハイハイをして、つかまり立ちを経て、1人で歩き出すようでした(あるいは何度も逆上がりに挑戦する子どもかも)。
 赤ん坊の初めての1歩が彼の生涯で最も偉大な1歩であるように、他人にとっては取るに足らないことであったとしても、今回のことは私にとって偉大な1歩なのでした。


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